CEO Message

2018年6月  「非化石価値」取引市場スタート

 

 国は大手電気小売事業者に対し、CO2を発生させないゼロエミッション電源割合を2030年44%に義務付けると発表しました。ゼロエミッション電源とは再エネと原子力のことです。現在の原子力は再稼働が7基しかなく、電源シェアは2%未満。政府は今後の再稼働を30基、シェア20%程度と想定していますが、グローバルな脱炭素・脱原発の潮流の中で甚だ疑わしい数字だと思います。

 

 そこで今回再エネ導入活性化の手段として、経産省が主導して「非化石価値」取引市場が日本卸電力市場(JEPX)内に設置されました。

 固定価格買い取り制度(FIT)による電源を対象に「非化石証書」を売り出し、購入した電気事業者はその証書によって非化石電源の割合が高いとみなされ、証書の売却益は再エネ賦課金の原資に充当するので国民負担も軽減される、という仕組みです。近江商人の三方良し、的な感じがいたします。

 

 5月18日の入札では、販売された515万kWに対し最高で4円/kWh、最低で1.3円/kWh、参加した26社の加重平均で1.3円/kWhだったとのこと。今回市場投入された非化石証書量はFIT9か月分電力の530億kWhだったので、実際に売れたのは全体の0.01%と極めて低調だったわけです。経産省が設定した価格1.3円/kWhは、他の仕組みで削減効果を取引する単価の約2倍。高価な価格がネックとなったと言われています。

 

今回の結果は残念ですが、新しい市場が普及するには困難が付き物です。この市場の概念を理解するのだって、普通の人には相当難易度が高いですよね。再エネが大量導入されるため、様々な金銭テクニックを伴ったスキムがトライされるのは、あるべき姿だと考えます。非化石価値オークションは年4回。最初はショボショボでも徐々に浸透して盛り上がり、最終的にはバブルのような大ブレイクを果たして欲しいと願っています。