CEO Message

 2016年4月、電力の小売全面自由化が実施されました。それまでは地域ごとの大手電力会社以外から電気は買えなかったのですが、どこからでも買えるようになったのです。この市場開放によって雨後の筍のように新電力会社が設立されました。現在その数は700社にのぼるのですが、数多くが厳しい経営環境に置かれているようです。

 

 2021年には30社以上が撤退し、3月末には東証マザーズ上場し新電力14位につけている業界大手のホープが破産しました。自社発電所を持たないホープは、日本電力卸市場(JEPX)で電気を調達していたのですが、最近の資源・燃料高で販売価格と仕入れ価格が逆転してしまったとのこと。2月時点でお客様に1kW15円で売っていたのに対し、仕入れには24円かかってしまった。売れば売るほど赤字が膨らみ、自分の首を絞めているようなものです。昨年6月の決算では70億円の赤字、24億円の債務超過。新株予約権などで資金調達したものの、結局は債務超過額は80億円に倍増。電気の託送料が払えなくなり、大手電力から送電契約を打ち切られて万事休すとなりました。

 

 ロシアによるウクライナ侵攻で原油価格はさらに高騰、電力調達の先行きはますます不透明に。JEPXのスポット価格は3月22日1kW64円、23日は53円と過去最高を更新し続けています。昨年11月時点で、新電力の1メガワット取引の利益はなんと190円にまで落ち込んでいるとのこと。もはや商売になっていません。楽天グループや三菱商事の新電力も新規受付をストップしており、倒産予備軍はますます増えていることでしょう。

 電力小売りが自由化されるにあたり、当社創業メンバーのなかには「小売りもやってみようよ」なんて言う輩もおりました。しかしながらそもそも小売りは利が薄く、規模と莫大な数の顧客が必要なので「リスクしかない」と決して耳を貸しませんでした。中小企業において、ビジネスの重要な決断は会社の生死を分かちます。ワタクシ的には、新電力の苦境を聞くにつけ、ホッと胸を撫でおろす毎日なのです。