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 熱海で大規模な土石流が発生し、多くの家屋が流され死者が出ています。災害現場のあたりは山沿いで小高く、海が一望できる景勝地。私も何回か訪れのんびり昼酒を楽しんだことがあるので、とてもびっくりしました。まさかあの一帯があんなに広く深く流されるなんて。

 

 土石流の原因は、起点となったエリアの盛り土だと言われています。木を伐採して元あった沢を、建設残土で大規模に埋めたらしいのです。なので山体崩壊ではなく、建設残土の集積地がえぐられたと。それは崩壊してもおかしくないなあ、と経験からわかります。我々も多くの発電所で、小規模ながら水の流れの知見を積んでいるからです。木の生えている土地を伐根・伐採・造成すると、木による保水性を失って水道(みずみち)ができます。水道を放っておくと、段々と大規模に土地を侵食するようになり、ゆくゆくはパネルを支える架台に影響を及ぼしてしまうのです。なので我々は水道周辺にあえて雑草を繁茂させたり、防草シートで水の流れを分散したり、排水溝を作ったりときめ細かい工夫で土地の浸食を日々防いでいるのです。熱海の災害はそのスケールアップ版であり、とても他人事とは思えません。

 

 被害に遭われた方の多くは、自分が沢を埋めた土地に暮らしているとは知らなかったのではないでしょうか。専門家によると、こういったリスクのある土地は日本に数十万か所あり、熱海のように3日で400ミリの雨が降ったらどこでも崩壊する危険があるそうです。それを防ぐには自分がどういう水系のどんな場所に住んでいるかを把握するため、居住地に降った雨の水が流れ込む川を確認し、一度源流まで自力で行ってみる必要があるとのこと。いやあ、なかなかそこまではできませんよね。

 

 ニュース映像を見ると、崩落地のすぐ横に太陽光発電所があります。ここが起点に土石流が起きたら、世の中的にはまた太陽光バッシングが起きたことでしょう。鬼怒川の決壊を思い出します。まずは大災害の原因が太陽光発電所でなくてよかった。しかしながら横の発電所は、崩落地と同じような形状の南斜面に設置されています。パネル設置のために伐根・伐採・造成を行っているので、今回の様な大雨が降れば水道ができて土地を侵食し、崩落の危険性が高まります。発電所所有者も、大雨のたびに気が気でないのではないでしょうか。太陽光発電所設置の土地選びがいかに重要か。我々の行ってきた土地選び・土地に対するメンテナンスがいかに正しかったか。深く思い入った次第です。