株式会社GEトラスト
グリーンエネルギーのディベロッパー
CEO Message
昨日の日経一面に「NTT、再生エネ本格参入」とデカデカと出ました。2030年までに累計1兆を超える投資をして、再エネで750万キロワットの発電量を確保する。しかも電力会社に頼らず、独自の発送電網を持つ。将来は四国電力一社分を上回る再エネ容量を持ち、日本の再エネ市場の一割を握る目論見なのだとか。
いやあ、ダイナミックな事業戦略。びっくりしました。NTT、こう来たか。確かに大手電力会社と伍して戦えるのは、日本全国を網羅するインフラを既に持ち、巨大な資本と人的資源を持つNTTグループくらいしかないかもしれません。事業を統括するのはNTTアノードエナジー。昨年、NTTスマイルエナジー(エコメガネ)元社長さんがアノードエナジーに異動して、一体何をやるんだろうと思っていました。今回気づいたのですが、スマイルエナジーは昨年アノードエナジーの子会社になっている。それらは今回の事業戦略の一環だったのですね。ようやく腹に落ちました。
現在エネルギービジネスは、三つのDを基軸に再編されつつあります。脱炭素(decarbonization)、分散化(decentralization)、デジタル化(digitalization)です。世界はエネルギーの脱炭素に向けて大きく舵を切っており、再エネは20年後世界で4割を占める最大の電源になる予定です。原子力や火力などの大規模発電所から消費者に届けるやり方から、再エネで発電した電気を地元で使う地産地消の形、これが分散化です。さらに、天候や時間で変動する再エネを、デジタル技術でコントロールすることが求められます。欧州ではこれらが主流になりつつあるのですが、日本は福島の原発事故があったにもかかわらず大手電力が旧来のやり方を踏襲し、全く進んでいません。まあ大手電力は旧ビジネスモデルで成り立っているのですから、変革するモチベーションに乏しいのは当たり前かもしれません。しかしながらNTTの場合は通信市場が飽和する中、新参者として再エネを取りに行くわけですから、相当なチャレンジが期待できます。
2012年の再エネ法施行で、再エネ市場は太陽光を中心に一気に拡大しました。土地に由来し巨大資本を要しないビジネスなので、大手ができにくい状況でした。だからこそ我々の様な会社も生き残れたわけです。しかしながらFIT制度が事実上終了したこれからは、事情が異なります。NTTが本気で再エネに参入して電力市場の競争環境が一変、エネルギーのパラダイムシフトが起きて3Dで再エネが基幹電力となる。その日が今から楽しみですし、我々も出来ることがあればお手伝いしたいと思います。