CEO Message

 昨年10月の菅首相の2050脱炭素宣言で、世の動きがガラッと変わった印象があります。日経では連日カーボンゼロの関連記事が特集されていますが、中でも再エネ先進国ドイツのシンクタンクCEOのインタビューはとても参考になりました。

 

 2020年度ドイツの電源構成のうち、再エネは46%、約半分。この状態でも電力供給は安定して停電もない。風力と太陽光のコストが下がったので、電気代の値上がりもない。よく言われる「再エネは高い、安定供給ができない」というのは全くの間違いだとわかります。こんなドイツでも、20年前は再エネシェアわずか6%だったそうです。

 当初はFITを導入したことで、再エネシェアは上昇。しかしながら国民負担も上昇。太陽光発電の買い取り価格は、2000年頃キロワットあたり76円。2012年にFITをスタートした日本での買い取り価格は当初40円だったので、いかに高かったがわかります。ところが今や再エネ価格はキロワットあたり当時の10分の1、7,8円しかかからない。

 なぜか。有効だった策は3つあって、1つ目は日本にも導入されたFIT。2つ目は電力網へのアクセスを再エネ最優先にすること。こうすることで発電事業者にモチベーションを与え、再エネ発電所がどんどん開発されるようになった。量産されるのでコストも下がり、石炭に比べ優位性を持つようになった。3つ目は発送電の分離。大手電力会社が発電部門と送配電部門を両方所有していると、自社で作った電気を優先して送配電してしまう。そこで送配電部門を分離したところ中立性が確保され、再エネ普及に大きく寄与したと。3つともなるほどなあと思います。

 

 ドイツの結論として、エネルギー転換には太陽光と風力が有効だと結論付けています。地熱、水力、バイオマス等に導入されたFIT間の競争を勝ち抜いたのはこの2つで、これは世界のどの国にも当てはまることなので、他の国はドイツのような実験はせずに太陽光、風力に特化するべきだと。やはり太陽光なのですね。

 2050年に再エネ比率は50~60%想定、現在の倍にしなければいけません。名古屋大学の天野教授の分析によると、2050年に再エネ50%にするためには年5.5兆円、30年で165兆の投資が必要になるそうです。民間投資を呼び込んで再エネを普及させるには、そのための制度設計が必要になります。送配電網への再エネ優先化、農振エリアの開放など現場に即した有効な改革を、スピード感をもって行って欲しい。そうでないと日本の約束となった2050カーボンゼロは、大いなる絵空事になってしまうことでしょう。