CEO Message

 10月末の菅総理の所信表明で、「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言しました。ようやく、という感想です。ヨーロッパや中国などはいち早く温暖化ガスゼロを掲げ、それに向かって再エネ産業を活性化させようと様々な施策を打ち出しています。日本は温暖化ガスの少ない火力発電だの、再開できない原発だのをあてにして、再エネメインになかなか進みませんでしたが、これを受けて来年改訂されるエネルギー基本計画が再エネを主力電源と定めるのは必至でしょう。遅まきながら世界のトレンドに追いつこうというところです。

 

 これに伴い、具体的な施策も動き始めました。一つにはFIT(フィードインタリフ)にかわるFIP(フィードインプレミアム)制度です。今年8月に経産省が制度の詳細設計を発表しました。FITは再エネを固定価格で20年買い取る仕組みでしたが、FIPは市場価格にプレミアムを交付して投資性向を高めるという仕組みで、2022年4月から開始されるとのこと。FIP認定事業者自ら卸売市場で取引する、FIP認定事業者と小売事業者間で取引する、アグリゲイターが複数のFIP認定事業者を取りまとめて市場に卸していく、大きく言ってこの三つの取引になります。

 

 キーになるのはアグリゲイターです。ほとんどの再エネ発電事業者は我々と同じように小規模なので、今後はそれらを束ね需給管理を行い、蓄電池等活用して分散&統合していくプレイヤーが求められます。最近も東芝がアグリゲータービジネスに乗り出すといったニュースがありました。エネルギーを事業化しようとする企業には、ここでのポジション取りは極めて重要になります。再エネがメイン電源になった時、従来の大手電力の代わりに多くのアグリゲーターが群雄割拠する戦国時代のような形になるのかもしれません。ちょっとワクワクします。

 またこの施策は、アフターFITの再エネを継続させるためのものでもあります。FITが終わった発電所も稼働していかなければ、再エネのシェアは高めることは出来ません。我々発電事業者が、発電所を持ち続けるモチベーションを持てるよう、努力すればキチンと利益が上がるよう、バランスの取れた制度・価格設計を期待しております。