株式会社GEトラスト
グリーンエネルギーのディベロッパー
今月のCEO Message
~ 代表 久保田 誠二のメッセージ ~
アフター FITのビジネスモデル 2024年 4月
先日、再エネのアグリゲーションビジネスを行う会社のセミナーに行ってきました。非常に興味深かったのは、AIを使って再エネを別々の、価格が最も高い市場に売るという考え方でした。電力には需給調整市場、スポット市場、時間前市場という3つの市場があり、AIを使って時間ごとの販売単価を予測し、3つのうち最も高い市場に販売するというのです。
さらにFIPを活用すると、売電収入に加えプレミアム収入が得られるので、シュミレーション上では現状のFIT価格を上回る収入が得られるということでした。蓄電池無しでキロワットあたり税別21円、蓄電池を加えると29円。蓄電池ありで需給調整市場も取り込むと、なんとキロワットあたり48円になるというのです。
後で個別に確認したところ、実証実験段階を始めたばかりで実績としてはまだないとのこと。低圧ノンFIT+蓄電池の実証も2年間やっているが、まだ蓄電池の単価が高いために利益は無いに等しいそうです。ちなみに蓄電池は15kWのものが135万円するので、kWあたり9万円程度になっている模様です。ぜひとも実証実験を継続し、利益が出るようなモデルを作って欲しいものです。我々の様な再エネの発電事業者が、設備を更新し、土地をメンテナンスして事業を続けないと、全エネルギーの8%に達した太陽光が消失してしまいます。民間も知恵を出し、国もそれをバックアップすることが必要です。FIT初期の発電所は2012年稼働ですから終了は2032年。あと8年のところまで来ているのです。
発電側課金制度 2024年 3月
この4月から発電側課金制度が始まります。これまでは小売事業者が電力系統の費用を全て負担していましたが、発電事業者も一部の負担が求められることになったのです。対象は系統に接続し、かつ、系統側に逆潮させている電源全てです。昨年この議論が進行している時にはFIT電源も対象になるのではという話もあり恐れていたのですが、結論として対象にはなりませんでした。
対象外の発電事業は、「系統側への逆潮が10kW未満」と「既認定・調達期間中のFIT、FIP」です。従ってこの4月以降にFITやFIPの認定を取ると、課金の対象になります。また、FITやFIPの期間が終わって継続して事業を行う場合には、課金対象となるので要注意です。課金はkW課金(固定料金)とkWh課金(従量料金)の2つの方法があり、固定の場合は系統接続時に決定する最大受電電力で計算され、従量の場合はメーター計測値で計算されるとのこと。自家消費がある場合は除外、蓄電池の課金は免除だそうです。
FITは全国一律の固定単価ですが、通常の電気代はエリアによって異なります。今回の発電側課金も、課金単価は送配電事業者によって計算され、全国一律ではないのです。
東京電力エリアはkW単価87.01円、関西電力は97.98円。一番高いのは北海道で110.0円、一番安い沖縄電力69.95円の約1.6倍ですから、改めて見ると電気料金はエリアですごい差になっていることが分かります。FITも課金対象になった場合、低圧発電所一つにあたり月額負担は数十円程度と予想され、事業運営上の大きな支障にはならないだろうと想定していたのですが、課金ゼロに終わりホッと胸をなでおろす毎日です。