株式会社GEトラスト
グリーンエネルギーのディベロッパー
今月のCEO Message
~ 代表 久保田 誠二のメッセージ ~
スイスで考えたこと 2024年 9月
8月にスイスに行ってきました。いやあ、素晴らしかった!国土の7割が山で、有名な観光地どこに行ってもアルプス山脈に囲まれています。観光地はいずれも標高2000m前後に位置しているため、涼しく湿気も無い。日本の山の森林限界は2800m程度が多く、どの山も緑に覆われ麓は森になっているため視界は狭くなります。それに対してスイスの森林限界は2000mと低いため、木に邪魔されずに美しい山容が隅々まで見渡せるのです。登山鉄道やケーブルカーも整備され、マッターホルンでは高度3800mまでロープウェイで行けてしまいます。観光立国なので、お金のかけ方がダイナミックな印象。
非常に美しいスイスでしたが、その物価の高さには驚きました。円が一番安い1スイスフラン=175円の時期に行ったのですが、空港でコーラやビールが1本6スイスフラン=1000円!500mlのコーラが1本1000円、日本の7倍です!バーガーキングのキングバーガーはナント1個2700円でした。食事つきのツアーでしたが、軽くワインを数杯頼むとすぐに1万円、ってな感じです。スイスは観光立国なので物価は世界でも有数の高さらしいのですが、さすがに驚きました。2011年に1ドルは80円弱。2024年の今はちょっと前まで160円でしたから、円の価値は10年で半分になってしまったわけです。国力が落ちるのは恐ろしい!2018年に2000万人に達していた日本人の海外旅行者数は、完全にコロナの影響が無くなった今年ですが1500万人弱にとどまりそうです。
半導体、電気製品と次々に輸出産業がダメになり、これから自動車が怪しくなると本当に観光産業がメインになる日本が見えてきます。物価が安い日本の高級レストランやホテルは外国人富裕層に独占され、日本人は片隅でひっそり。メニューも英語がメインという、「全国総ニセコ化」の日が来るのやもしれません。最近は若者の海外への「出稼ぎ」、も増えているとか。落ち目は本当に悲しいですね。
ちなみにスイスでの再エネ割合は3割弱で、その8割は水力だそうです。国土の7割が山、山岳気候、面積も九州くらいしかないとなると太陽光は難しいのでしょう。しかも観光立国ですから、至る所に野立ての太陽光発電所があったら、景観的に厳しい。同じ観光立国でも、太陽光発電は日本の方が盛んなようです。
円安ニッポンと銅線ケーブル窃盗団 2024年7月、8月
太陽光発電所の銅線ケーブル窃盗が爆発的に増えている。茨城県警からのメールによると、6月17日から23日までの1週間で太陽光発電所の窃盗事件が茨城県内でなんと45件も発生している。被害の多くはフェンスを切断・破壊して侵入後、ケーブルを番線カッター等で切断して持ち去るという手口。
警察庁によると、2023年の銅線など金属窃盗の認知件数は過去最多の1万6276件。前年比157%という急増ぶりで、1日に約50件の窃盗が行われている計算になる。発生件数は太陽光発電施設が多い茨城、千葉、栃木、群馬の関東各県が全国上位に並ぶ。当社の発電所は茨城、千葉に集中しているので、まさにワースト1,2フィニッシュになる。人けが少ない山間部に広がるメガソーラー施設が、格好の標的になっているようだ。
日経によると、銅線窃盗増加には円安が影響しているとのこと。
1つ目は、円安による国内銅価格の高騰。商品市場では銅を「新時代の石油」とはやす声が出るほど、電気自動車向けなど世界的に需要が拡大、価格が上昇。国内需要を輸入でまかなう日本では円建ての銅価格が円安でさらに上昇、盗んだ銅を売る窃盗団の「うまみ」が拡大している。
2つ目は、円安による東南アジア外国人の不法滞在者の増加。重労働の上に大幅な円安で母国通貨建ての収入が減った技能実習生が職場から失踪、家族への仕送りや渡航の借金返済のために窃盗団に加わっている構図があるとのこと。
最近は悪影響しか感じられない円安。我々太陽光発電事業者にも、銅線窃盗という思わぬ形で影を落としている。窃盗はメガソーラーが中心で、当社発電所はサイズが低圧~ミドルが中心、しかも近くに民家があるエリアが多いので、今のところ被害は最小限にとどまっている。しかしながら今後保険は窃盗は対象外になるなど、不安はつきない。円安ニッポン、早く終わって欲しい!