
2026年4月
電力自由化から10年
電力小売り完全自由化から、この4月でちょうど10年だそうです。新電力の販売シェアは現在は約2割くらいで思ったほど伸びませんでしたが、様々な成果があった模様です。
一つにはもちろん、電気・電源が消費者のニーズによって選べるようになった事。日経に書かれていましたが、例えば日本赤十字センターの場合、電気の一部は先物市場であらかじめ固定価格で購入し、残りは短期のスポット市場で調達する。電気が高い時間帯は自家発電の電気をメインで使用し、安い時間帯にターボ冷凍機を稼働させるというように、需要家自らが工夫して電気代を抑えているとのこと。あたり前のような事に感じますが、小売電気が自由化されるまで購入者側が何か工夫できるという状況ではなかったわけです。
自由化は電気料金の上昇を抑える事にも寄与しました。大震災で原発の稼働が大幅に減り、そのまま大手の寡占であれば競争が無いので料金が大幅に上昇したでしょう。それに対して国は発電・小売りの競争を促し、送配電網をだれでも利用しやすくしたのです。こういった改革で電気料金はどうなったか。日本の電気料金は1990年代に主要10カ国で最も高かったのが、現在は中位になったとのことです。自由化前の2015年と24年の上昇幅を比べるとイギリス2.1倍、ドイツ34%、米国30%アップに対し、日本は17%なので料金抑制では相当な成果があったと言えるでしょう。
ただ問題もあって、22年のウクライナ危機で燃料価格が急騰した際にイギリスやドイツは電気料金に転嫁したのですが、日本は多くを大手電力が負担しました。この対応で日本の電気料金の上昇は抑えられたわけですが、電力会社はコスト転嫁できないので燃料確保や発電所建設など安定供給に必要な投資が後回しになっている状態だとの事。再エネ普及に密接に関わる送電網の整備も大きな投資なので、なかなか進んでいないのです。それについては次回また記したいと思います。
