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2016年1月 電力の自由化、電力の選択

 

 今年4月から家庭向け小売り電力の販売が自由化されるにあたり、ガス会社がガスと電力をセットにして割引するなど、消費者を囲い込む動きが加速化しています。経済が停滞する日本に、いきなり約8兆円の巨大なニューマーケットが出現するわけですから、商社・流通・携帯などの大手企業がしのぎを削るのも無理はありません。新規プレイヤーは、概ね現状の電力10社より5%前後安くなるようです。これに対し、迎え撃つ電力会社も割安プランを発表しました。らしくないクイックレスポンス。「じゃあ今までの料金はなんだったんだよ」とツッコミを入れたくなりますよね。

 

 通信自由化の時もそうでしたが、閉ざされていた市場が開かれ、民間企業が競争を行うことで料金とサービスが向上していくのであれば、消費者にとって喜ばしいこと。今後が楽しみです。 実のところ、日本の電気料金は世界各国と比較して、突出して高いわけではありません。アメリカや韓国の倍と言いますが、アメリカは化石燃料を自国で賄えるし、韓国は発電コストが安い原子力と石炭が7割を占めるなど、電気料金はそれぞれの国の状況を反映して変わってくるのです。

 

 今後大切なのは、日本という国が「電気を何によって賄っていくか」の意志を持つことではないでしょうか。2030年に再生可能エネルギー比率を50%にするドイツ。ここ10年程度で電気代は倍近くになりましたが、現地で会った人々は口々に「我々がこの道を選択したのだから納得している」と言っていました。原発による未曽有の災害を経験した日本は、どの道を目指すのか。コストが安いが、リスクが高い原発を取るのか。安全で環境に優しいが、コストがかかる再エネを取るのか。キチンと考え、一人一人が自分なりの答えを持っている必要があると思います。